祈り
”祈り”というのは
なんとも神秘的だ
手を合わせ 瞳を閉じて
心の奥底にある想いを
ゆっくり ゆっくり
頭のてっぺんから
空に向かって
放出していく感じ
穏やかさの中に
大きく脈打つ心臓があって
知らない内に
頬を想いがつたっていく
だいぶ前だけれど
ある番組の中で
タイのある村の
伝統である燈籠を
村の人々の全面協力で
燈籠5000個を
一斉に飛ばして
空に願いを託していた
形は違えど ”祈り”に同じ
手製の和紙を羽にして
蜂の巣からつくられた蝋に
光を灯して
あたたかな光を放ちながら
様々な祈りがこめられた燈籠は
まるで空を翔る天の川のように
夜空に上っていく
”祈り”
これほど美しいものがあるなんて
この人間世界で
生きていること
わたしはよかったと思えた